米AT&Tは米国時間7月25日に,2006年第2四半期の決算を発表した。同期の純利益は18億ドルで,前年同期から80.8%の増益となった。利益増加について,「同社が60%の株式を保有するCingular Wirelessと高速インターネット事業の好業績,合併による経営経費の節減などが要因」と説明している。

 合併関連の費用を除いた場合,純利益は23億ドルで合併前の前年同期から59.6%の増益となる。同条件の希薄後の1株あたり利益は0.58ドルとなり,前年同期から34.9%増加した。1株あたり利益はアナリストの平均予測の0.53ドルを上回り,5期連続で2ケタ成長を達成している。合併関連の費用を含む希薄後の1株あたり利益は0.46ドルだった。

 Cingular Wirelessは,同期に150万人の新規顧客を獲得。解約率は過去3年間で最も低い1.7%だった。Cingular Wirelessを除く同期の連結売上高は158億ドルで,合併前の前年同期の103億ドルから53.2%の増収となった。

 同社は,通期予想の上方修正を発表した。連結営業利益率として,これまでは15~16%の範囲を見込んでいたが,17~18%の範囲に上方修正した。また,旧AT&TとSBCとの合併を通じて,通期で6億~7億ドルの経営経費削減を見込んでいたが,目標を7億~9億ドルに修正した。同期末の時点で,3億ドルの経費節減に成功しているという。

 同社会長兼CEOのEdward E. Whitacre氏は,「Cingular Wirelessは,確実に加入者数を伸ばしながら,解約率を過去最低に抑えることに成功した。また,高速ブロードバンドは売上高の記録をさらに更新した。SBCと旧AT&Tとの統合プロジェクトも順調に進んでおり,相乗効果を生んでいる」とコメントしている。

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