セキュリティ・ベンダーの英Sophosは現地時間7月24日,ロシアのスパム(迷惑メール)配信業者(いわゆる「スパマー」)の価格表を入手したとして,その内容を明らかにした。それによると,ロシア国内のアドレスあてのスパムは500ドルで1100万通,それ以外の国のアドレスあてについては100万通あたり50ドルで配信するという。
Sophosが入手したという価格表はロシア語で記述されている。価格表はスパムとして配信されている模様。このスパム業者は,ボット感染マシンで構成される「ボットネット」を使ってスパムを配信しているという。
併せてSophosは,2006年第2四半期(4~6月)における各国のスパムの中継状況を公表した。同社のシステムで収集したスパムが,どの地域(大陸)・国から送られてきたものかを調べて集計した。それによると,全体の23%が米国,20%が中国に置かれたマシンを中継して送られているという。国別のランキングは以下のとおり。
1位 米国 23.2%
2位 中国(香港を含む) 20.0%
3位 韓国 7.5%
4位 フランス 5.2%
5位 スペイン 4.8%
6位 ポーランド 3.6%
7位 ブラジル 3.1%
8位 イタリア 3.0%
9位 ドイツ 2.5%
10位 英国 1.8%
11位 台湾 1.7%
12位 日本 1.6%
その他 22.0%
地域別で見ると,全体の4割がアジア地域のマシンを中継していることが分かる。
1位 アジア 40.2%
2位 ヨーロッパ 27.1%
3位 北米 25.7%
4位 南米 5.5%
5位 オーストラリア 0.7%
5位 アフリカ 0.7%
その他 0.1%
国別および地域別のいずれについても,全体の傾向は,同社が4月に発表した2006年第1四半期(1月~3月)とほぼ同じである(関連記事:スパムの4割は,アジアのコンピュータを経由している)。
スパムの多くは,ボットなどに乗っ取られたマシンから送信されていると考えられる。このため同社では,スパムを減らすには,一般ユーザーのマシンのセキュリティを高めることが重要であると呼びかけている。