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 米AMDとカナダのATI Technologiesは米国時間7月24日に,AMDがATIを約54億ドルで買収する計画について発表した。「マイクロプロセサに関するAMDの技術力と,グラフィックス,チップセット,家電におけるATIの強みを組み合わせることで,強力な企業が誕生する。商用およびモバイル・コンピューティング分野と,成長著しい家電分野に注力する」(両社)。

 AMDはATI買収により,「主要市場で需要が高まっている,より統合的なソリューションを提供できるようになる」としている。2007年には,差別化を図った製品の共同開発を希望する顧客を対象にしたプラットフォームをリリースする予定。

 2008年以降に向け,AMDはマイクロプロセサとグラフィックス・プロセサを統合したプラットフォームへの技術的変換を図る。汎用パフォーマンスをはじめ,メディア向け,データ向け,グラフィックス向けパフォーマンスへのニーズの高まりに対応する。

 取引条件のもと,AMDは現金42億ドルと自社の株式5700万株で,ATIのすべての発行済み株式を取得する。7月21日のAMD株式の終値(18.26ドル)で換算すると,ATI株式1株あたり20.47ドルを支払うことになる。両社取締役会ともに買収計画を承認しており,取引は2006年第4四半期に完了する見込み。なおATIは,取引が成立しなかった場合に契約解除料1億6200万ドルをAMDに支払うことで合意している。

 ちなみに,過去4四半期の両社売上高の合計は約73億ドルで,従業員は合わせて約1万5000人にのぼる。合併後,現ATI社長兼CEOのDave Orton氏は,ATI部門執行バイス・プレジデントとなる。

 AMDは一部の分野で米Intelのシェアを奪い始めているが,全体的な市場ではIntelが依然優勢だ。AMDはATIを買収することにより,自社でチップセットとグラフィックスも開発しているIntelに対抗できるようになると,米メディア(CNET News.com)は報じている。

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