米Microsoftは7月18日(米国時間),Windows用管理ツール・ベンダーの米Winternals Softwareを買収したと発表した。Winternalsは,「Recovery Manager」や「Protection Manager」,「Defrag Manager」「Administrator's Pak」といった非常に有用なツールを販売していることで有名なベンダーである。また同時に,セキュリティ管理者にとって欠かすことのできない「Sysinternals」ブランドの強力なフリーウエア・ツールを提供していることでも知られている。

 Winternalsが同社のWebサイトSysinternalsで公開しているフリーウエア・ツールは,ファイル・システムの挙動をリアルタイムでチェックする「Filemon」,レジストリの挙動をリアルタイムでチェックする「Regmon」,プロセスがオープンしているファイルやレジストリ・キー,オブジェクトを調査する「Process Explorer」など。

 同社の創業者であり,Windowsカーネルの解説書「Windows Internals」の著者として,またソニーBMGのルートキット問題の発見者として知られるMark Russinovich氏はブログで「何百万人もの人々が,システム・トラブルシューティングやシステム管理のために,(われわれのツールを)日々使っている。われわれのアイデアやツールが,人々にポジティブなインパクトを与えているのを知ること以上に,満足できることはない。Microsoftに買収されたことで特に重要なのはこの点(多くの人々にツールを使ってもらえること)である」と述べている。

 WinternalsやSysinternalsのツールは,買収後どうなるのであろうか。Russinovichは,「いくつかのWinternalsブランドのツールは,既存のMicrosoft製品やWindows OSそのものに統合され,その他のツールはMicrosoftブランドの製品として販売されるようになるだろう。またSysinternalsのWebサイトについても,Microsoftのコミュニティ・サイトに統合される目処が立つまでは,継続して運営する。Sysinternalsのツールは,今後もフリーでダウンロードできる」と述べている。

 Winternalsは1996年にMark Russinovich氏とBryce Cogswell氏によって設立された会社である。Microsoftの広報担当者によれば,Cogswell氏はWindowsコンポーネント・プラットフォーム・チームに参加し,Russinovich氏はMicrosoftプラットフォーム&サービス・ディビジョンに参加するという。なおRussinovich氏は「Windows IT Pro Magazine」の「上級協力編集者」であり,今後もWindowsテクノロジに関して,継続して記事を執筆してくれる予定だ。