米Lucent Technologiesは,2006会計年度第3四半期(2006年4~6月期)の決算速報を米国時間7月10日に発表した。売上高は約20億4000万ドル,希薄化後の1株当たり利益は約2セントになる見通し。

 前期の売上高は21億4000万ドル,希薄化後の1株当たり利益は4セント,また前年同期の売上高は23億4000万ドル,同1株当たり利益は7セントだった。

 同社は,売上高が前期および前年同期と比べて減少した理由を,「北米のモバイル・ユーザーへの販売が不調だったため」と説明する。また,「中国における売上高の低下も,前年同期比で減収となっている一因」(同社)。

 米メディア(CNET News.com)によると,アナリストは同社の当期売上高を23億3000万ドル,1株当たり利益を5セントと見込んでいた。

 Lucent Technologies会長兼CEOのPatricia Russo氏は,「当期は,北米において一部の現行無線ソリューションの売り上げが低迷した」と説明する。その一方で同氏は,「ユーザーは高速モバイル・データ・サービスへの移行を進めている。また,米Verizon WirelessやニュージーランドのTelecom New Zealandに,当社のEV-DO Rev.Aソリューションを9月より提供することも決まっている」と,明るい側面があることを指摘した。

 同社テクノロジ・チーフ・オフィサのFrank D'Amelio氏は,「EV-DO Rev.AとHSDPA(high speed downlink packet access)サービスを予定どおり開始できれば,第4四半期(2006年7~9月期)における北米のモバイル事業は回復し,売上高を大幅に伸ばすことができる」と期待する。

 同社は7月26日に正式な2006会計年度第3四半期決算を発表する予定。

 またLucent TechnologiesとフランスのAlcatelは同日,両社の合併が2006年中に完了する見通しであることを明らかにした。合併後は,キャリア向け製品,企業向け製品,サービスの3分野を柱に,世界の各地域にビジネス・グループを設け,エンド・ツー・エンドのソリューション提供に注力する。

 なお合併は,規制当局および9月7日に予定されている総会で株主の承認を得る必要がある。

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