英Sophosは,2006年上半期におけるコンピュータ・セキュリティの被害状況について調査した結果を,米国時間7月5日に発表した。それによると,ウイルスの新種が減少する一方で,スパイウエア,トロイの木馬,フィッシングといったセキュリティの脅威が急増しているという。

 同社が,2006年前半に防御した悪質なプログラム(マルウエア)は18万292種で,2005年前半の14万118種から増加した。トロイの木馬が全体の82%を占め,ワームに対するトロイの木馬の比率が昨年より上昇しているのが特徴である。

 具体的には,2005年前半はトロイの木馬とワームの比率が2対1だったのに対し,2006年前半は4対1と倍増した。一方,2005年前半は電子メール35件のうち1件にペイロードを組み込んだウイルスが添付されていたのに対し,2006年前半は91件中1件へと減少した。

 プラットフォーム別にみると,依然Windowsを狙った攻撃が多い。Mac OS Xをターゲットにしたマルウエアが2006年2月に初めて検出されたものの,猛威をふるうにはいたっていない。Sophos上級テクノロジ・コンサルタントのGraham Cluley氏は,「当面はMacintoshの方が安全なプラットフォームであることは間違いない。家庭ユーザーは新しいコンピュータを購入する際に,この点についても考慮すべきだろう」としている。

■2006年上半期のマルウエア被害ワースト10
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順位  名称                検出率

 1   W32/Sober-Z           22.4%
 2   W32/Netsky-P          12.2%
 3   W32/Zafi-B             8.9%
 4   W32/Nyxem-D            5.9%
 5   W32/Mytob-FO           3.3%
 6   W32/Netsky-D           2.4%
 7   W32/Mytob-BE           2.3%
 8   W32/Mytob-EX           2.2%
 8   W32/Mytob-AS           2.2%
10   W32/Bagle-Zip          1.9%
     その他                36.3%
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出典:Sophos
■2006年上半期の種類別マルウエア被害ワースト10
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順位  種類              検出率      

 1   W32/Mytob           28.7%
 2   W32/Sober           22.6%
 3   W32/Netsky          19.0%
 4   W32/Zafi             9.9%
 5   W32/Nyxem            5.9%
 6   W32/Bagle            4.3%
 7   W32/MyDoom           3.3%
 8   Troj/Clagger         1.3%
 9   W32/Dolebot          1.1%
10   W32/Lovgate          0.8%
     その他               3.1%
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出典:Sophos

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