セキュリティ・ベンダーの英Sophosは現地時間7月4日,特定企業の株を買うように勧める新たなタイプのスパム(迷惑メール)が出回っているとして注意を呼びかけた。特徴は,指定の株を買えば儲かることをイラストで示していること。今回のスパムに限らず,風説の流布を目的としたスパムが多数流通しているとして,Sophosでは改めて警告している。
偽の情報を流して特定企業の株価を吊り上げようとするスパムが後を絶たない(関連記事:スパムの15%は「風説の流布」)。スパム送信者は,その株を安価なときに入手し,株価を吊り上げた後に売り逃げして利益を得ようとする(このような違法な手口は「pump-and-dump campaign」などと呼ばれる)。Sophosによれば,以前はそのようなスパムは全スパムの1%程度に過ぎなかったが,2005年1月以降増え始め,現在では15%を占めているという。
今回確認されたスパムには,指定の株を買えばいかに儲かるかを示したイラストが張り込まれている。また,スパム・フィルタ(スパム対策製品)を回避するために,スパムの内容とは無関係の文字列が,背景色とほとんど色で書き込まれている。
イラストは稚拙なので,このイラストによってユーザーがだまされることはないだろうとしながらも,スパムの偽情報にだまされて株を購入しないよう,Sophosでは改めて注意を呼びかけている。
◆Spammers resort to cartoons in latest stock pump-and-dump campaign(英Sophos)