米AberdeenGroupは米国時間7月3日,企業のリスク管理についての調査結果を発表した。同社は,多くの企業が自社のリスク管理プログラムを通じて財政上の利益を受けていないと指摘。これは,リスク管理に法令順守を組み込むことに焦点を当てていないためだと説明している。非効率的なリスク管理により,企業は年間数十億ドル節約できるチャンスを逃しているという。

 AberdeenGroupによれば,法令や企業ポリシーの影響により,技術購入の意思決定はIT幹部から企業幹部に移行している。このため,リスク管理の向上には,ビジネス・リーダーシップの必要性を理解し,技術ソリューションとプロセスを模索する先進的なIT管理者が貢献する。これらのIT管理者は,財務上の損失を回避するためにも貢献できるという。

 同社リサーチ・ディレクタのMounil Patel氏は,「リスクの概念は優先事項の変化に左右されるため,リスク管理戦略の導入と測定は容易ではない」と説明。「多くの場合,企業は企業幹部とIT幹部の間におけるギャップを埋めることの重要さを認識していない」とコメントしている。

 調査の結果,優れたリスク管理を実施している企業では,企業全体における手順とシステムの調整および標準化を最も重要な課題として捉えていることが分かった。これらの企業では,リスク管理の責任者をCFO(最高財務責任者)とし,リスク管理コストの売上高に対する割合,従業員1人当たりのリスク管理経費といったパフォーマンス指標を利用して,リスク管理パフォーマンスを測定している。

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