米ABI Researchは米国時間6月29日,ホーム・オートメーション市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場の成長を後押しするのは家庭向けエンターテインメントになる見通しである。

 これまでホーム・オートメーション市場は,照明,室内環境,家電製品,セキュリティなどを調節する高度かつ高価なシステムと,電源線を利用した安価なシステムとに二分されて,その中間に位置する主流市場は未開拓だった。しかし,相互運用性のある無線通信規格「ZigBee」「Z-Wave」「INSTEON」などの登場と,一般消費者をターゲットにした米Intermatic,米Monster Cable,米Universal Electronicsといった新規ベンダーの参入により,市場は徐々に活性化するという。

 とりわけ中産階級におけるホーム・シアター・システムの人気は高く,マルチメディアを家庭に取り入れたいと考える消費者が増えている。このため,まず最初に市場に受け入れられるのは,照明調節やカーテンの開閉など,ホーム・エンターテインメント関連のオートメーションになる可能性が高いとABI Researchは分析する。

 ABI Research上級アナリストのSam Lucero氏は,「主流市場の消費者はホーム・オートメーション技術に関する知識が乏しいため,消費者啓蒙がベンダーの課題になる」と指摘する。また同氏は,「とくに複雑なシステムなどは,販売員が用途や使い方などを説明しながら販売することがポイント」としている。

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