英visiongainが,携帯電話向けローミング・サービスに関する調査結果を英国時間6月29日に発表した。音声通話のローミング料金は,無線LAN経由のVoIP(VoWLAN:Voice over Wireless LAN)を利用する場合は1分当たり0.02ドルという事例が多く,携帯電話網を利用する場合は1分当たり1.25ドルが一般的という。

 visiongain社は,「この料金差が,音声通話のローミング手段としてVoWLANの魅力を高める」と指摘する。「世界中でWi-Fiホットスポットが増えているため,旅行者はVoIPサービスを利用しやすくなり,携帯電話網によるローミング・サービスは減収の脅威にさらされる」(同社)。

 visiongain社アナリストのAdam Walkden氏によると,「通信事業者にとって,ローミング・サービスは総売上高の最大17%を占める大きな収入源」という。「この収入を守るために,通信事業者はVoIPの脅威を深刻に受け止めることが重要だ。ローミング・サービスによる売上高は,その多くが頻繁に出張するビジネスパーソンから得られる。携帯電話網とVoWLANによるローミング料金の格差は,こうしたビジネスパーソンを引きつけるのに十分なほど大きい。VoIPに対応するか,通話料金を大幅値下げするかのいずれかの対策をとらないと,ローミング・サービスの売上高は落ち込むだろう」(同氏)。

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