米EarthLinkは米国時間6月29日,米カリフォルニア州アナハイム市のWi-Fi化計画に基づいて敷設を進めているブロードバンド・ネットワークのサービス提供を開始した。同ネットワークは,市内の住民,企業,訪問者や自治体職員に,低価格な高速インターネット接続の提供を目的としたもの。同日,同市市長が参加して記念式典が行なわれた。

 アナハイム市におけるWi-Fiネットワークの増設は,2006年末までに完了する予定。住民は,自分の住むエリアでサービス提供が開始されたかどうかを同社のWebサイトに自宅の電話番号と住所を入力して調べられる。ネットワークは,米Tropos NetworksのWi-Fiルーター「MetroMesh」を市内全域の街灯柱に取り付けて構築する。米Motorolaの「MOTOwi4」製品系列のバックホール/Wi-Fiメッシュ・ネットワーク装置「Canopy」なども使用する。

 「EarthLink Wi-Fi」の月額利用料は21.95ドル。一時的な利用者向けには1時間接続できるパスを3.95ドルで提供。3日間利用できるパスは15.95ドルで提供する。

 同ネットワークは,オープン・アクセス型のビジネス・モデルで運営される。そのため,EarthLink社の製品とサービスとともに,複数の競合プロバイダが同ネットワークを利用して顧客にサービスを提供できる。同日,同社は子会社のPeoplePC社と米DirecTVが同ネットワークを利用して顧客にサービスを提供する卸売りパートナとなることを発表。米AOLとも同ネットワークを通じてAOL.comのコンテンツを配信する方法について話し合いを進めていることを明らかにした。また,Wi-Fiサービスの提供を望む地元のISPとの提携も計画している。

 EarthLink社は,これまでにフィラデルフィア市やサンフランシスコ市など8都市で全市Wi-Fi化計画の契約を獲得している。

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