フィンランドのNokiaは,携帯電話機向けテレビ放送規格Digital Video Broadcast - Handheld(DVB-H)準拠のモバイル・テレビ・サービスを,スウェーデンのストックホルムで試験運用する。Nokia社がフィンランドで現地時間6月28日に明らかにしたもの。スウェーデンのTeracomなどとともに,2006年10月~12月に実施する。

 試験サービスでは,ストックホルム市街地の屋内および屋外で,テレビ放送14チャンネルとラジオ放送4チャンネルの視聴が可能となる。400人の消費者に参加してもらい,「商用モバイル・テレビ放送に対するスウェーデン消費者の意識を調査する」(Nokia社)。Nokia社は,モバイル放送システム「Nokia Mobile Broadcast System 3.0」と,モバイル・テレビ対応携帯電話機「Nokia N92」を提供する。コンテンツの供給は,スウェーデンSveriges Radio,スウェーデンSveriges Television/UR,ATG社,Boxer社が行う。ネットワーク管理やコンテンツ配信などはTeracom社が担当し,ノルウェーTelenorも試験に協力する。

 この試験サービスは,Nokia社がDVB-H技術面で協力したスウェーデン国内の取り組みとしては2番目の活動という。Nokia社はスウェーデンTeliaSonera Swedenとのあいだで,試験用モバイル・テレビ・システムの構築に関する契約を結んでいる(6月19日発表のプレスリリース)。

 Nokia社は,フィンランド,英国,スペイン,フランスで実施した試験サービスの結果から,「これらの地域において,モバイル・テレビ・サービスの需要がある」とみている(関連記事)。

 なお米メディア(CNET News.com)によると,「世界各地で行われた数十件の試験サービスから,消費者は月額5~10ユーロ(約6.30~12.60ドル)であればモバイル・テレビ・サービスを利用する」との結果が得られたという。

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