大手企業,政府機関,学術機関がID窃盗撲滅を目指したID管理および情報保護研究センター「Center for Identity Management and Information Protection(CIMIP)」を設立した。ニューヨーク州のユーティカ・カレッジに拠点を置く。同カレッジが米国時間6月28日に明らかにしたもの。

 設立メンバーには,ユーティカ・カレッジのほか,米LexisNexis,米IBM,米秘密検察局,米連邦捜査局 (FBI) ,カーネギーメロン大学ソフトウエア光学研究所のCERT/CC,インディアナ大学の応用サイバー・セキュリティ研究センター(CACR),シラキューズ大学のCASEセンターが含まれる。

 CIMIPでは,ID管理,情報共有ポリシー,データ保護における重要事項に取り組む。主な研究内容は以下の通り。

・ID窃盗および不正使用の原因究明,早期検出,防止
・サイバー犯罪者,内部者,犯罪組織によるID窃盗
・ポリシー設定,法規,取締の効果と役割
・詐欺や不正決済防止と国家安全保障のためのID認証システム強化
・情報保護および共有,機密保持に向けた技術の役割

 CIMIPの責任者には,ユーティカ・カレッジで経済犯罪取締を専攻するGary R. Gordon教授が就任する。同カレッジの経済犯罪研究所(ECI)と,CIMIP参加メンバーで構成するResearch Steering CommitteeがCIMIPの研究スケジュールを指導する。

 またCIMIPは,Webサイトや出版物を通じて,ID管理や情報保護関連のリソースを企業,法施行機関,政府機関,学術機関,民間人に提供する予定。

 ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,「CIMIPの初年度の予算は約50万ドルで,企業と政府が折半する。2年目には2~3倍の資金を見込む」(Gordon氏)という。

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