インターネットカフェの店頭。ネットゲーム用のプリペイドカードを宣伝する垂れ幕がかかっている
インターネットカフェの店頭。ネットゲーム用のプリペイドカードを宣伝する垂れ幕がかかっている
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インターネットカフェの店内。壁にはネットゲームのポスターが張られている
インターネットカフェの店内。壁にはネットゲームのポスターが張られている
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インターネットカフェの店頭には、ゲームができることを示す大きな看板が設置されていた
インターネットカフェの店頭には、ゲームができることを示す大きな看板が設置されていた
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 ベトナムでネットゲームが急激に人気を集めている。ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)の調査によると、ベトナムは海賊版ソフトウエアの使用率が毎回の調査で世界最悪と言われ続けてきた。そのベトナムでプリペイドカードを利用して料金を支払い、正規の方法でゲームを遊ぶことが一般的になりつつある。

 ベトナムでは、街中のいたるところにあるネットカフェの端末に、ネットを使わずに使用できるスタンドアロン型の海賊版ゲームをインストールして遊ぶのが普通だった。もちろん、以前からネットゲーム自体はあった。韓国や中国で大ヒットした「ミュー ~奇蹟の大地~」「プリストンテール」の2タイトルはベトナムでも販売されていたが、ベトナムでは、前者が1.2万ユーザー、後者が1万ユーザーとあまり好調ではなかった。

 ベトナムでのネットゲームブームに火をつけたのは、中国のキングソフト(金山軟件)が開発し、ベトナムのVinagameが運営する「武林伝奇」(オリジナルの中国語名「剣侠情縁ネットワーク版1」)だ。このゲームのユーザー数は17万人超を記録している。大ヒットの理由として中国メディアは、このゲームが中国の中世の世界を思い浮かべるような世界観を提供している点を指摘している。ベトナムの中世の歴史は中国と重なる部分も多く、文化背景も似ているため、身近に感じるというわけだ。なお、武林伝奇の利用料は1カ月6万ドン(約435円)。

 武林伝奇のヒット後、ベトナムでは成功を収めたVinagameに続かんとばかりに、複数の企業がネットゲーム運営メーカーとして名乗りを上げている。韓国や中国発の有料のネットゲームが13種類運営されているほか、ゲームによっては無料のものもある。ネットゲーム時代の夜明けを象徴するように、2006年5月末には首都ハノイでベトナム初のゲームショーも開催された。