米Microsoftは6月23日,公式ブログで「これまでの計画を変更し,次世代ストレージ・エンジン『WinFS』を単独製品にはしない」と明らかにした。その代わりに,WinFS技術を「SQL Server」の次版である「Katmai」(開発コード名)など,今後リリースするほかの製品に組み込んで出荷する。

 Microsoft WinFSチームのQuentin Clark氏は同チームのブログで,「現在われわれは,以前計画していたBeta 2リリースも含め,WinFSを個別の製品としては開発していない」と述べた。「開発プロジェクトでは,WinFSをSQLとADO.NETに組み込んで製品レベルに仕上げることに,ほとんどすべての力を注いでいる。WinFSを単体で提供する必要はない」(Clark氏)

 Clark氏によると,WinFSの開発作業はMicrosoft内で継続しているそうだ。変更になるのは製品の形態だけで,WinFSをクライアントおよびサーバー向けWindowsにインストールできるパッケージとして出荷するのではなく,完成度の高いWinFSを近い将来リリースするほか,完成度がやや劣る一部機能を後ほど出すという。

 WinFSのスケジュールが大きく変更されたのは,これが初めてではない。元々WinFSは,Windows Vistaに搭載される予定だった。Microsoftは2005年にWinFSのリリースを遅らせ,「Longhorn Server」(開発コード名)が登場する2007年に合わせ,リリース後にWindowsに統合すると約束した。現時点では,リリース時期やWindowsへの統合が不透明になった。しかしClark氏は,開発作業が継続すると暗に示している。「今後もWindowsには,準備が整った段階で開発成果を搭載していく。革新的な技術の開発を続け,完成度が高まれば,Windowsやそのほかのしかるべき製品に自然と組み込めるようになる」(Clark氏)