米AT&Tが通信傍受に関する米連邦法に違反したとして電子フロンティア財団(EFF)に提訴されている件で,AT&Tは同訴訟を却下するよう裁判所に申し立てた。同社が米国時間6月23日に明らかにしたもの。

 EFFは,「AT&Tが米国家安全保障局(NSA)の極秘監視プログラムに協力し,自社のネットワークを経由する電話通話と電子メールに直接アクセスできる手段を,密かにNSAへ提供。さらに一般の米国市民による数100万件に及ぶ詳細な通信記録もNSAに渡した」と主張している。

 AT&Tは,国家機密に関することで政府や当局に協力する企業は民事訴訟の対象外とする制定法および慣習法にもとづいた対応を裁判所に要請。「たとえ当社がEFFの主張通りの行動を取っていたとしても,抗議されるべきは政府である。EFFは間違った相手を提訴しているのだ」としている。

 EFFによると,米司法省は同日,この訴訟が国家安全保障に関する機密事項を開示しかねないとして,裁判の進行に異議を示したという。これに対し,EFFは判事に裁判を進めるよう求めている。

[AT&Tのプレス・リリース]
[EFFのプレス・リリース]