米Insight Researchが,全世界のグリッド・コンピューティング市場に関する調査結果を米国時間6月22日に発表した。それによると,2006年における支出額は18億ドルで,2011年には約245億ドルに増えると予測する。この期間の年平均成長率は70%弱となる。

 市場規模は急速に拡大する見通しだが,Insight Research社は「現在グリッド・コンピューティングを導入しているのは,まだ一部の先進的な業界に限られている」と指摘する。同社が14種類の業界分野で導入状況などを調べたところ,グリッド・コンピューティングに対する支出は製造業と金融サービス業に集中していたという。

 Insight Research社社長のRobert Rosenberg氏は,「英British Telecom(BT)やスペインTelefonicaなどの大手通信事業者は,グリッド向けミドルウエア企業と組んで自社のサービスを増強している。また,多数のグリッド関連新興企業がベンチャ・キャピタルから資金を調達した。しかし多くのIT部門にとって,グリッド・コンピューティングはまだ馴染みのない技術だ」と述べる。「現在のグリッド・コンピューティング用ソフトウエアは使用が難しく,有力な標準もはっきりしない状態にあり,普及途上といえる」(同氏)

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