欧州連合(EU)加盟国および新規/候補加盟国など34カ国が,Webのアクセシビリティ向上と情報技術の普及に向けた宣言書「Riga Ministerial Declaration」に署名した。EUの欧州委員会(EC)がベルギーで現地時間6月12日に明らかにしたもの。2010年にブロードバンド整備率90%以上を目指す。

 「欧州ではまだ多くの人々が,情報および通信技術の恩恵を享受できずにいる。すべての欧州人が同等の条件で情報社会に参加できるようにすることは,社会的必須事項であり,大きな経済機会となる」(ECのInformation Society and Media担当Viviane Reding氏)

 Riga Ministerial Declarationの主な内容は以下の通り。

・2010年には欧州全域でブロードバンド整備率が90%を超えるようにする。ちなみに2005年の整備率は,15加盟国の辺境地で約60%,都市部で90%以上。

・2010年までにすべての公共Webサイトのアクセシビリティを保証する。

・2007年にはWebアクセシビリティ標準の勧告を策定し,2010年までに公式発効する。

・2008年までに,年配者,障害者,失業者などのインターネット利用格差を解消する取り組みを開始する。

 ECによると,欧州のブロードバンド加入者は全人口のわずか13%(全世帯の25%)。65歳以上のインターネット利用率は10%で,Webアクセシビリティの最小基準を満たしている公共Webサイトは約3%。ECでは,2010年の欧州世帯におけるブロードバンド普及率を50%以上に引き上げたい考えである。

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