米Novellは米国時間6月12日,異なるアイデンティティ管理システムの統合を目指したオープンソース・プロジェクト「Bandit」を発表した。Banditコミュニティで開発するアイデンティティ・サービスは,ユーザー認証技術の「Liberty Federation」やオープンソース・プロジェクト「Higgins」などと連携させる。

 同プロジェクトの狙いは,標準化された安全なロール(役割)ベースのアイデンティティ管理システムを企業に提供し,法規制に準拠したレポートを提供できるようにすること。コードは無償で提供し,既存のシステム上に実装できるようにする。Novell社は同プロジェクトの取り組みを後押しするために,コードなどの技術リソースを提供済みという。

 Banditプロジェクトでは,Higginsのインプリメンテーションである「 Common Identity Service(共通アイデンティティ・サービス)」のほか,サインオン・システム同士の相互認証を可能にする「Common Authentication Services Adapter(共通認証サービス・アダプタ)」,ロール情報の分析と一元管理を行う「Role Engine Service(ロール・エンジン・サービス)」,監査および法規制準拠のためのAPIを提供する「Audit Record Framework Service(監査記録フレームワーク・サービス)」といったコンポーネントを提供する予定。

 Novell社執行副社長兼CTOのJeff Jaffe氏は,「アイデンティティ管理システムを簡易化したいという企業ユーザーからの要望が多かった。基盤インフラの影響を受けない,一貫したアイデンティティ・サービスの提供に向けて,業界が一丸となって取り組む必要がある」と述べている。

 なおNovell社によると,米IBM,米Intel,米Microsoft,米Red Hat,米Sun Microsystems,米Symantecなどが,同プロジェクトへの支持/協力の意向を表明しているという。

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