VoIP事業者および施設ベースのブロードバンド・インターネット接続プロバイダは,捜査当局が通信データにアクセスできるように対応しなければならない。コロンビア特別区巡回区控訴裁判所は米国時間6月9日,米連邦通信委員会(FCC)の規定を支持する判決を下した。

 FCCは2004年8月に,「法執行のための通信援助法,米国盗聴法,通信盗聴援助法(CALEA:Communications Assistance for Law Enforcement Act)」について,傍受対象となる通信サービスの範囲をVoIPサービスにも拡大することを決定した。CALEAは,1994年に成立・施行された盗聴法で,電気通信事業者に対し,捜査当局による通話傍受や通信データ提出の要請に従うことを義務づけている。

 FCCの決定に対して全米教育協議会は,「ブロードバンド・インターネット接続は情報サービスであり,CALEAの範囲内ではない。またFCCは不当に,CALEAをプライベート・ネットワークに適用しようとしている」として控訴していた。

 しかし今回,控訴裁判所は全米教育協議会の申し立てを却下した。
 
 米メディアの報道(InfoWorld)によると,FCCの規定では,VoIP事業者および施設ベースのブロードバンド・インターネット接続プロバイダは,2007年5月14日までに,当局による通話傍受が可能な体制を整えなければならない。これに異議を唱えるCenter for Democracy and Technology(CDT)は「市民社会の自由と技術の革新を脅かす規定だ」(CDT,ポリシー担当ディレクタのJim Dempsey氏)と非難している。

[FCCの告知]
[米控訴裁判所の告知]