写真1 FIFAのマイク・ケリーCIO
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写真2 アバイアのダグ・ガードナーITディレクター
写真2 アバイアのダグ・ガードナーITディレクター
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写真3 会場を沸かせた,元イングランド代表のボビー・チャールトン氏
写真3 会場を沸かせた,元イングランド代表のボビー・チャールトン氏
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 「(ITネットの構築も無事終了し)FIFAはワールドカップ開催の準備が既に整った。さあ,あなた方の心の準備はいかがですか」。FIFAのマイク・ケリーCIO(写真1)は6月8日(現地時間),「2006 FIFAワールドカップ・ドイツ大会」(W杯)の公式スポンサーである米アバイア主催のカンファレンスにゲスト出演。講演の中で会場の報道陣やアナリストへ自信満々に問いかけた。

 ケリーCIOはドイツ大会のITネットワーク構築の苦労話などを披露し,その重要性を強調した。「ワールドカップは世界で最も見られているスポーツ・イベント。世界中のサッカー・ファンがピッチ上の“ドラマ”を見守っているので,大会運営のコミュニケーション手段は絶対的に信頼性の高いものでなくてはならない」(ケリーCIO)。

 ドイツ大会のネットワークは,38台のコア・スイッチ(米エクストリーム・ネットワークス製)と,1000台を超えるエッジ・スイッチ(アバイア製)で構成。そこに4500台超のIP電話機がつながり,無線LANのアクセス・ポイントは656台と,数多くの端末が接続されているという。この巨大なネットワークの信頼性を確保しつつ構築するため,FIFAとアバイアは「4000通り以上のテスト・シナリオを検証し,信頼性向上を徹底した」(アバイアのダグ・ガードナーITディレクター,写真2)。こうしたことから,スタジアム内のサーバーやゲートウエイ機器などは冗長構成により99.999%の可用性を確保しているという。

 これらの講演が終わり,アバイアのカンファレンスの終了間際,会場が一段と盛り上がった瞬間があった。なんと,元イングランド代表で1966年のワールドカップ・イングランド大会の自国優勝に貢献した往年の名選手,ボビー・チャールトン氏が特別ゲストとして突然登場(写真3)。何も知らされていなかった会場は,あまりのサプライズに騒然とした。

 チャールトン氏は,「4年に一度のワールドカップを目前に控え,興奮している」と語り,笑いを交えながら自身が出場したイングランド大会やメキシコ大会などの思い出話を紹介。特に,今回のFIFAワールドカップ組織委員会委員長を務めるドイツ・サッカー界の大物,フランツ・ベッケンバウアー氏を擁した西ドイツとの対戦秘話に話題が及ぶと,会場は興奮の渦に包まれた。