SDカード大と小型のチューナーカード
SDカード大と小型のチューナーカード
[画像のクリックで拡大表示]
会場ではTV1000を使った受信デモを実施
会場ではTV1000を使った受信デモを実施
[画像のクリックで拡大表示]

 蘭フィリップスセミコンダクター社は、台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2006」において、欧州やアジアで展開されている携帯機器向け地上デジタル放送規格のDVB-Hに準拠したチューナーモジュール「SDIO TV1000」「同 TV1100」を展示している。

 特徴は、パッケージがSDIO規格に準拠した小型のカードとなっていること。携帯型情報端末(PDA)などのSDカードスロットに挿入して使用可能。ただしアンテナ部が外部に張り出す分、奥行きは一般のSDメモリーカードなどより数mm長くなっている。パッケージ寸法は24×39×2.1mm。ベースバンドLSIとRFトランシーバーLSIを集積しながら、消費電力が最大50mWと小さいのも注目だ。

 フィリップスのブースでは、TV1000と市販のPDAを使って地上デジタル放送を受信、視聴するデモを実施していた。「SDIO形式のカードとしたことに加え、Windows Mobile 5.0やLinux向けデバイスドライバーなどのソフトウエアも併せて提供するので、テレビ視聴機能を組み込んだPDAやスマートフォンの開発が容易にできる」(フィリップスセミコンダクター説明員)。

 地上デジタル放送は日本や韓国だけでなく、台湾を含むアジア各地や欧州、北米などでも順次商用サービスが始まっている。「今の時点では、固定受信機器向けのDVB-T方式による放送が大半で、携帯機器向けのDVB-H方式で放送を実施している地域はまだ少数だ。だが今後はDVB-H方式の商用サービスも広がっていくことは確実で、今回のような製品に対するニーズも高まっていくと考えている(フィリップスセミコンダクター説明員)としている。

 TV1000は欧州やアジア市場向けで、470MHz~750MHzの周波数帯に対応。TV1100は北米向けで、1670MHz~1675MHzの受信が可能。なお、日本では地上デジタル放送の方式としてISDB-T、携帯機器向けにはISDB-Tの一部であるワンセグを採用しているため、これらの製品は使用できない。