人気のビデオ・ゲーム「Grand Theft Auto: San Andreas」に成人向けのコンテンツが含まれているとして調査が進められていた問題で,制作に関わった2社が米連邦取引委員会(FTC)との和解に合意した。FTCが米国時間6月8日に明らかにしたもの。

 FTCによると,同ゲームには,通常の利用では分からない成人向けコンテンツが隠されており,インターネット上で配布されている「Hot Coffee」と呼ばれるプログラムをインストールすると,こうしたコンテンツが見られるようになる。

 同ゲーム開発および発行元の米Take-Two Interactive Softwareと米Rockstar Gamesは,ビデオ・ゲームの自主規制機関である米Entertainment Software Rating Board(ESRB)が定めた「M」(17歳以上向け)のレーティングを付けて販売していた。

 ESRBは今回,同ゲームのレーティングを「AO」(18歳以上の成人のみ)に変更した。これによる返品の関連費用は2450万ドルにのぼる。

 「親は,ゲーム業界のレーティング・システムを信頼している。2社の行為はレーティング・システムの信用をおとしめ,消費者をあざむいた。これは深刻な問題であり,2社は厳しく罰せられることになる」(FTC消費者保護事務局ディレクタのLydia Parnes氏)

 和解条件のもと,Take-Two社とRockstar社は,Hot Coffeeを無効にするパッチの配布を始めた。また,店頭在庫をすべて回収するか,レーティング表示を貼り替えることでも合意した。

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