台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2006」会場の一角にある米マイクロソフトのブースでは、組み込みOSとしてWindowsを採用した製品を多数展示し、来場者の目を引いている。
中でも展示に力がこもっているのが、携帯電話機や携帯型情報端末(PDA)向けの組み込みOSである「Windows Mobile 5.0」を搭載したスマートフォンの展示エリアである。Windows Mobile 5.0搭載端末というと、日本ではシャープが製造、ウィルコムが販売する「W-ZERO3」(関連記事)が目立つ程度。携帯電話機メーカーはWebブラウザーやPDFビューワーといったソフトを内蔵した高機能の端末を投入しているが、ほとんどがSymbian OSやMontaVista Linuxを採用している。しかし当地では、地元メーカーを中心に10社以上がWindows Mobile 5.0搭載端末を投入。展示エリアもにぎわいを見せている。
例えば、スマートフォン専業の台湾ドゥーポッドインターナショナルは、W-CDMAとGSM、無線LANによる通信機能を備えた「Dopod 900」やGPSモジュールを内蔵した「Dopod P100」をはじめ、多数の製品を展示。また台湾サイバーリンクは、欧州版ワンセグである「DVB-H」をスマートフォンで受信、視聴するデモも実施していた。
このほかマイクロソフトのブースでは、「Windows Embedded」を組み込みOSとして採用した業務用ハンディターミナルやPOSレジスター、キオスク端末などの展示がみられた。
VistaやOfficeは見当たらず
ちなみに今回、このマイクロソフトのブースでは「Windows Vista」や「Office 2007」に関する展示や説明は見当たらなかった。そもそもCOMPUTEXは個人ユーザー向けの展示会ではなくバイヤー向け商談会という性質が強く、その意味でWindows VistaやOffice 2007より組み込みOSの方が重要だという事情もある。ただ、個人ユーザー向けの発売時期が2007年初頭まで遅れたことで、今年のCOMPUTEXの話題として取りこぼされてしまったという印象も受けた。
会場内をくまなく見て回ると、若干だがWindows Vista関連の展示もみられた。米エヌビディアやカナダATIテクノロジーズは、自社製グラフィックスチップのWindows Vista用のデバイスドライバーを開発し、Windows Vistaを搭載したパソコン上で自社製グラフィックスチップを動かすデモを実施していた。