米Microsoftは,同社の研究所Microsoft Research Cambridgeで開発した技術を英国の新興企業Skinkersに提供する。同社が現地時間6月5日に発表した。また,同社は,モバイル・メディア配信ソフトウエアを手がけるアイルランドのVimioと技術提携することも明らかにしている。

 今回の欧州企業との提携は,同社が2005年5月に開始した,起業家や新興企業に自社の技術をライセンス供与する「Intellectual Property(IP)Ventures」というプログラムによって実現したもの。同プログラムでは,社内で開発した技術を政府機関などに公開し,起業家や小企業による新製品および新事業の展開を支援することを目的としている。

 Skinkers社は,ピア・ツー・ピア型ネットワークを通じて従業員のデスクトップ・コンピュータ上に情報とメッセージを配信する技術の開発を手がけている。今回の提携を通じて,Microsoft社は自社で開発したと技術と引き換えに,Skinkers社の株式10%を獲得する。両社はソフトウエア開発で協力し,最終製品はSkinkers社が市場に投入する。開発された製品の一部は,Microsoft社の製品ラインにも組み込まれる予定。また,Microsoft Research Cambridgeのマネージング・ディレクタであるAndrew Herbert氏がオブザーバの資格でSkinkers社の取締役会に参加する。

 Vimio社との提携では,ビデオを最適化する技術のライセンスを供与する。Vimio社はケンブリッジのMicrosoft Researchと協調し,Microsoft社の技術を利用して低帯域環境でモバイル・デバイス上にビデオを配信する技術の開発に取り組む。

 現在,Microsoft社はIP Venturesプログラムを通じて30種類以上の技術ライセンスを提供している。

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