178ギガビット/平方インチと高い面記録密度を達成した2.5インチ型HDD。8月に量産出荷予定
178ギガビット/平方インチと高い面記録密度を達成した2.5インチ型HDD。8月に量産出荷予定
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HD DVD-Rの読み書きが可能なスリムドライブ向け光ヘッド(上)。下は41.5mm厚のデスクトップパソコン用ドライブに向けた光ヘッドで、HD DVD-Rの読み出しが可能
HD DVD-Rの読み書きが可能なスリムドライブ向け光ヘッド(上)。下は41.5mm厚のデスクトップパソコン用ドライブに向けた光ヘッドで、HD DVD-Rの読み出しが可能
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 東芝は台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2006」において、垂直磁気記録方式を採用した2.5インチ型ハードディスク(HDD)の「MK2035GSS」を展示している(発表資料)。容量100GBのプラッターを2枚内蔵し、厚さを9.5mmに収めている。

 面記録密度は178.8ギガビット/平方インチと、これまで発表されている垂直磁気記録方式のHDDの中で最も高い。垂直磁気記録方式を用いたHDDは東芝のほか、米シーゲイト・テクノロジー(関連記事1)や日立グローバルストレージテクノロジーズ(関連記事2)も開発済みだが、いずれも130ギガビット/平方インチ前後の面記録密度であった。「垂直磁気記録が実用化できたことで、面記録密度は今後もさらに高められる。200ギガビット/平方インチを超えるのもさほど困難ではない」(東芝の説明員)としている。

 同社では今回の製品を2006年8月ころに量産出荷する予定。「2.5インチ型で200GBという製品に対する需要はまだ多くはないが、ハイエンドのノートパソコンに向けた最上位モデルとして位置付け提供していきたい」(同社説明員)という。

 東芝は2005年6月に1.8インチ型HDDで垂直磁気記録方式を世界で初めて採用した。今回の製品はこれに続き、2種類目の製品となる。同社が次に狙うのは、0.85インチ型の製品という。「0.85インチ型は、携帯電話機や携帯型音楽プレーヤー、USBドライブなど、さまざまな用途に展開できる可能性を秘めている。現行の0.85インチ型HDDは4GBだが、2007年には垂直磁気記録方式を採用した、容量8GB~10GBの製品を出荷したい」(同社説明員)との意向を示した。

 このほか東芝のブースでは、HD DVDとDVD/CDの読み書きに対応した光ヘッドを展示している。ノートパソコンに内蔵する12.7mm厚のいわゆるスリムドライブ向け光ヘッドで、HD DVD-Rの読み出しと書き込みが可能。この光ヘッドを実装した記録型光ディスクドライブ「SD-L902A」も展示している。

■変更履歴
記事掲載当初、HD DVDとDVD/CDの読み書きに対応した光ヘッドを実装した記録型光ディスクドライブなどの展示はなかったと記載していました。ブースで、この光ヘッドを実装した記録型光ディスクドライブ「SD-L902A」を展示していましたので、本文を修正しました。お詫びして訂正します。[2006/06/08 13:30]