米IBMは米国時間6月5日。Ajaxソフトウエア開発技術をオープンソース・コミュニティに提供する計画を明らかにした。知的資産の提供を通じて,業界のコラボレーションとAjaxの導入促進を狙う。

 今回の技術提供は,Dojo Toolkit内のコードを拡張するもの。アプリケーションの国際化とともに,DHTMLやAccessibleウィジットを通じて障害を持つ人々によるアプリケーションへのアクセスを可能とする。また,同ツールキット内の既存のデータ・モデルを拡張し,ソフトウエア開発のベスト・プラクティスを共有,再利用するための基盤となるアーキテクチャとWebベースのツールを提供する。

 Ajax(Asynchronous JavaScript+XML)は,Rich Internet Application(RIA)のひとつ。JavaScript,CSS,XMLといった既存の技術を組み合わせてWebアプリケーションを構築する手法。サーバーと非同期な通信ができるため,Webページをリロードすることなくコンテンツの一部を更新できる。ユーザーは,デスクトップ上でフォルダやファイルを移動するのと同じようにドラッグ&ドロップでオブジェクトをWebブラウザ内に移動できる。

 IBM社は,Dojo Toolkitウィジット・セットにDynamic Web Accessibility仕様を統合する技術の提供を予定している。同仕様は,キーボード以外にもスクリーン・リーダーやスクリーンのズーム機能といった補助技術を通じてアクセスできるリッチ・ユーザー・インタフェースを作成するメカニズムを提供するもの。現在Web関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)のWeb Accessibility Initiative(WAI)において策定が進められている。

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