米RSA Securityは米国時間5月25日,世界の主要金融都市であるニューヨーク,ロンドン,パリにおける無線ネットワークに関して調査した結果を発表した。これら3都市における無線アクセス・ポイントとホットスポットの数は引き続き増加している。暗号化されたネットワークも増えているという。一方で,企業が運用している無線ネットワークのうち,4分の1にはセキュリティ対策が施されていなかったとする。

 2006年にロンドンに設置された無線アクセス・ポイントの数は前年から57%増加。同期間においてニューヨークでも20%増加している。パリでは,2004年から2年間で119%増加している。また,ロンドンでは,検出された無線ホットスポットの数が前年から73%増えた。ニューヨークでも同期間に15%増加しており,検出した無線アクセス・ポイントのほぼ20%がホットスポットだった。パリではこの割合が12%だった。

 調査により,暗号化技術の導入も進んでいることが明らかになった。2005年にロンドンでWEPを利用するネットワークは65%だったが,2006年には74%に増えている。ニューヨークでも62%から75%に増加している。パリは導入率が最も高く,2004年の時点で69%が導入しており2006年には78%に達している。

 これらの3都市で検出された企業/組織に属する無線ネットワークのうち,4分の1にはセキュリティ対策が講じられていなかった。ロンドンでは未対策の企業ネットワークの割合が26%で最も高く,ニューヨークが25%と続いた。パリは22%だった。また,デフォルト設定のアクセス・ポイントが利用されている割合は,ロンドンが26%でニューヨークが28%だった。パリは21%で最も低く,2004年の39%から大きく改善している。

 同社は「同調査は,5年目にして初めてセキュリティ対策が施された企業の無線ネットワークの数に大きな改善がみられた。しかし,これらの企業ネットワークのおよそ4分の1が攻撃に対して無防備であることを忘れてはいけない」とコメントしている。このような企業では重要な情報が盗まれたり,ウイルスやトロイの木馬攻撃が仕掛けられ,DoS攻撃の踏み台として利用される可能性があると同社は指摘している。

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