写真1 米マイクロソフトで、Windows Product Managementチームのプロダクトマネージャを務める榊原洋氏。モバイルやコラボレーション分野を担当する
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写真2 Windows Vistaをインストールしたタブレット対応のパソコンで、Internet Explorer 7を使ってWebサイトを閲覧する際には、手形のアイコン「Panning Hand」(仮称)が出現。電子ペンでスクロールなどができる
写真2 Windows Vistaをインストールしたタブレット対応のパソコンで、Internet Explorer 7を使ってWebサイトを閲覧する際には、手形のアイコン「Panning Hand」(仮称)が出現。電子ペンでスクロールなどができる
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写真3 自分の名前など、よく入力する任意の単語をタブレットPCに学習させることができる
写真3 自分の名前など、よく入力する任意の単語をタブレットPCに学習させることができる
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 WinHEC 2006の会場で報道関係者向けのラウンドテーブルが開催され、米マイクロソフトの榊原洋氏がWindows Vistaの電源管理やタブレットPC機能について説明を行った。

 ノートでは、Vistaの画面に表示される電源ボタンを押して終了処理を行うと、完全に電源はオフにならずに、メモリー内のデータは保持されている状態になる。このあと、18時間経過するか、バッテリーが少なくなると、メモリーの内容をハードディスクに保存する(いわゆるハイバネーション)処理が行われる。バッテリー切れなどで、完全に電源が落ちたとしても、メモリーの内容は保持されているので、次回起動時には電源ボタンを押す直前の作業内容を呼び出すことができる。なお、ノートのきょう体にある電源スイッチを押した場合には、「初期設定ではハイバネート(メモリーの内容をハードディスクに保存する)状態になる」(榊原氏)。

 ユーザーインタフェースも改善されている。バッテリーメーターの表示を変えて一覧性を高め、今どれだけバッテリーが残っているのかなどが分かりやすくなったという。バッテリーの使い方も、初期状態の「バランス」設定から、「省電力」「高パフォーマンス」といった別の設定にワンクリックで簡単に変えられる。バッテリー駆動や電源駆動時に、ディスプレイを閉じた場合の挙動などを詳細に設定することも可能だ。こうした機能は従来のWindows XPにもあったが、「設定項目が多すぎて、一般的なユーザーには分かりにくかった」(同氏)という。

 プレゼンテーション時に邪魔になりそうな警告画面などを出さないようにする「プレゼンテーションモード」もある。ノートパソコンに外部モニターを接続した場合、プレゼンテーションモードに移行するか否かを問う画面が表示され、同意すると以降は外部モニターを接続するたびに自動でプレゼンテーションモードに移行する。

 Windows VistaではタブレットPCへの対応も強化されている。タブレット機能は家庭向けの下位版「Windows Vista Home Basic」を除いて標準で搭載している。これまで、タブレットに書き込みをしても、ペンの動作がきちんと認識されているか分かりにくいことがあった。Vistaでは電子ペンなどで液晶に触ると、水面に波紋が立つような画面効果が表示されるので、ペンが認識されていることがすぐに分かるようになった。さらに電子ペンでポイントしている部分には星型の小さなポインタが表示され、どこにペンが合っているか分かりやすくなった。

 Internet Explorer 7を使ってWebサイトを閲覧する際には、「Panning Hand」(仮称)という機能が表示され、電子ペンでスクロール操作などができる(写真2)。電子ペンで囲った範囲の情報をクリップしてコピーするなどの作業を行う「Snipping Tool」は、以前は追加機能だったが、Windows Vistaでは初期設定で搭載する。なお、電子ペンだけでなく、指での入力も想定している。指での操作には向かない細かい作業に対応するため、「Touch Pointer」(仮称)と呼ばれるソフトウエアマウスも備えている。

 手書きの文字入力機能も強化されている。日本語で今までに手書き入力した単語を自動で学習して、手書き認識精度を高める機能を備える。自動学習機能の他に、よく入力する任意の単語をユーザーが、学習させる機能も備えている(写真3)。