米Microsoftが,新しい静止画向けデータ・フォーマット「Windows Media Photo」の仕様「Version 1.0」を米国時間5月25日に発表した。自然画など連続階調を持つ画像用のフォーマットであり,Microsoft社は「既存画像フォーマットの限界を超える」としている。

 Microsoft社によると,「Windows Media Photoは演算負荷が小さく,高速に処理できるアルゴリズムを採用し,必要なメモリー量も少ないため,(デジタル・カメラなどの)機器内でエンコードやデコードが行える」という。Version 1.0仕様は,現在提供中の「Windows Vista Beta 2」および「WinFX Runtime Components Beta 2」(関連記事)に実装したWindows Media Photoコーデックをベースに策定した。

 Windows Media Photoの主な特徴は以下の通り。

・画面表示用と印刷用に複数の色フォーマットを採用
・固定または浮動小数点演算により,ダイナミック・レンジの広いエンコーディングが可能
・可逆圧縮のほか,高画質な非可逆圧縮にも対応
・複数の解像度に対応し,画像の一部領域を処理対象にできるデコーディング機能を備える

 仕様書はWebサイトから無償でダウンロードできる。

 米メディア(CNET News.com)によると,ワシントン州シアトルで開催した開発者向け会議Microsoft Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)2006の会場で,Microsoft社Windows Media Photo担当プログラム・マネージャのBill Crow氏が,24分の1に圧縮したWindows Media Photo画像と,同程度に圧縮したJPEG/JPEG 2000画像を披露したという。

 同メディアはこの画像を比べ,「明らかにWindows Media Photo画像の方が細部まで描写できている」と報じている。Crow氏は「現在一般的なデジタル・カメラでは6分の1程度に画像を圧縮しており,Windows Media Photoならその2倍の圧縮率でよりよい画質が得られる。データ・サイズは,JPEGファイルの半分で済む」と述べたという。

[発表資料へ]