2006年5月23日,米シアトルでWindows向けハードウエア開発者のカンファレンス「Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)」がキーマン3人の基調講演で幕を開けた。年末以降,Windows Vista,Office 2007,Longhornと,主力製品を一新するのに合わせて,それらを駆使したシステムの将来像を,ふんだんなデモを交えて力説した。

市場の要求に合わせてプラットフォームを拡充


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 最初に登壇したのは,会長兼Chief Software ArchitectのBill Gates氏。次の世代のメガトレンドは,ハードウエア性能の飛躍的な向上,ハードウエア形状の多様化,コンテンツや経済(仕事に使うデータ)のデジタル化の加速,接続性の向上だとし,こうした市場の要求に対応するためのプラットフォームを提供していくと,打ち上げた。  ハードウエア性能の向上に対しては,64ビット・プロセッサ対応を真っ先に紹介し,それに続いて起動の高速化やI/O強化,メモリーや電源の管理,ネットワーク機能の強化などを挙げた。特にエンタープライズ向けのチャレンジとして,次期サーバーOSのLonghornについて力説し,使いやすさ,オペレーション・コスト削減,レスポンスの改良をLonghornで実現する。また,仮想化技術を駆使することで,ダウンタイムを最小限にとどめ,セキュリティ確保を容易にする。

 ハードウエア形状の多様化に対しては,PC Ecosystemと題してタブレットPC,PDA,ハードディスク/メモリー・レコーダ,携帯電話機,コードレス電話機などのデモを通して,従来のパソコン以外のデバイスを利用できることを強調した。

 デジタル化の加速に対しては,Windows VistaとOffice 2007のデモを交えながら解説。デジタル・データの在りかをユーザーに意識させず,ユーザーの利用デバイスが変わっても同じように使えるシームレスな環境を提供するとした。そのためにWindows Vistaには,ノートPCだけでなく,キーボードやリモコン,携帯電話機などのディスプレイを2台目のディスプレイとして使う「Windows SideShow」という新プラットフォームが加わるほか,ユーザー・プロファイルやユーザー・フォルダを適切なものに切り替える機能を提供したり,検索機能を強化する。