セキュリティ・ベンダーの英Sophosは現地時間5月18日,ボットネットを使って1日に1800万通の迷惑メール(スパム)を送信していた人物が韓国において逮捕されたことを伝えた。

 ボットネットとは,「ボット」と呼ばれる悪質なプログラムに感染したパソコンで構成される仮想的なネットワークのこと(関連記事:極悪ウイルス「ボット」の危険性を認識しよう)。ボットに感染してボットネットの一部になると,そのパソコンは攻撃者の思い通りに操作されてしまう。例えば今回のケースのように,スパム送信の踏み台に悪用される。

 今回逮捕された人物が悪用していたボットネットは,1万6000台のボット感染パソコンで構成されていたという。このボットネットからは,1日あたり1800万通のスパムが,6カ月にわたって133カ国のユーザーへ向けて送られていた。スパムの内容は,ローンに関するものだったとされる。

 Sophosでは,現在のスパム送信者(スパマー)のほとんどは,自分自身のコンピュータではなく,ボットなどで乗っ取った他人のコンピュータを悪用するので,踏み台にならないように対策を施すよう注意を呼びかけている。

 なお,以前にSophosが公表した調査結果によると,同社のシステムで収集したスパムのおよそ10%は,韓国のコンピュータから発信(あるいは中継)されていたという(関連記事)。

◎参考資料
Zombie king suspect alleged to have sent 18 million spams per day