米Sun Microsystemsは米国時間5月16日にカリフォルニア州サンフランシスコで開幕したJava開発者向け会議2006 JavaOne Conferenceで，Javaアプリケーション・プラットフォームの新版「Java Platform, Enterprise Edition（Java EE）5.0」，デスクトップJavaソフトウエア開発プラットフォーム「Java Platform, Standard Edition（Java SE）5」の再配布ライセンス，Webサービス技術「Web Services Interoperability Technology（WSIT）」などのオープンソース化を発表した。
Java EE 5.0は，サービス指向アーキテクチャ（SOA）向けのプログラミング・モデルやWebサービス標準に対応した。アプリケーション開発機能を強化しており，特にWebサービスとトランザクション処理の開発を大幅に省力化できるという。「Reference Implementation（RI）」「Technology Compatibility Kit（TCK）」「Software Development Kit（SDK）」で構成する。
SDKは，SOAビジュアル設計ツール「Sun Java System Application Server Platform Edition 9.0」を同梱する。新たにWebサービス向けビジネス・プロセス仕様Business Process Execution Language（BPEL）に対応し，ビジネス・インテリジェンス（BI）機能を搭載した。「SOA Starter Kit」（プレビュー版）およびJava向け統合開発環境（IDE）「NetBeans Enterprise Pack 5.5」（同）とともに提供する。
Java EE 5.0のRI，TCK，SDKは，いずれも既に利用可能となっている。開発者向けネットワークSun Developer Network（SDN）のWebサイトでSolaris Operating System（OS）／Linux／Windows用を無償ダウンロードできる。
Sun社はGNU／LinuxおよびOpenSolaris OSを手がけるディストリビュータ向けとして，Java SE 5の再配布を可能とする新しいライセンス「Operating System Distributor's License for Java」（別名は「Distro License for Java（DLJ）」）を用意する。同ライセンスを利用すると，ディストリビュータは自社のOS用に「Java SE 5.0 Java Development Kit（JDK）」と「Java Runtime Environment（JRE）」をインストール可能なパッケージとして提供できる。
またSun社は，WSITをオープンソース化する。WSITは各種Webサービス技術をまとめており，Javaと.Net framework間で相互接続性のあるWebサービスを実現できるという。「Sun Java Studio Creator」「Sun Java System Portal Server」「NetBeans Enterprise Pack」や，「Sun Java Composite Application Platform Suite（Java CAPS）」の「BPEL Engine from」などもオープンソースとして提供していく。
さらにSun社は，モバイル機器向けJavaプラットフォームの次期版「Java Platform, Micro Edition（Java ME）」について，早期アクセスを開始した（関連Webサイトその1，その2）。
[発表資料（概要）]
[発表資料（Java EE 5.0）]
[発表資料（Java SEの再配布ライセンス）]
[発表資料（各種製品のオープンソース化）]
[発表資料（WSIT）]
[発表資料（Java MEの早期アクセス）]
