米司法省(DOJ)は米国時間5月12日,次期Webブラウザ「Microsoft Internet Explorer(IE)7」の検索ボックスが初期状態で「MSN Search」を使う仕様であることについて,「米Microsoftの決定は企業競争を脅かさない」と発表した。この動きは,インターネット検索大手の米GoogleがDOJと欧州連合(EU)の独占禁止法(独禁法)部門の両方に対し,「Microsoftがこの検索機能の搭載を決定したことは,独禁法違反」と申し立てたことに端を発する(関連記事)。

 回答書のなかでDOJは,「MicrosoftがIE 7の検索ボックスについて初めて説明したのは,何カ月も前」と指摘している。検索ボックスで使用するインターネット検索エンジンは,Googleも含め任意のエンジンにたやすく変更できる。DOJによると,「ユーザーにとって比較的素直な手順を使い,初期設定と異なる検索エンジンを選べる」という。

 さらにDOJは,「MicrosoftがIE 7に関して取った行動は,同社が10年ほど前に難しい法律問題で苦しんだときの競争妨害行為にほど遠い」とした。なぜDOJはこのように判断したのだろうか。それはIE 7が,ユーザーによって旧バージョンのIEにおける検索エンジン設定が変更されていた場合,その設定を引き継ぐからだ。仮に旧バージョンのIEがGoogleやYahoo!といった検索サービスを使う設定であるなら,IE 7はインストール時にその設定をMSN Searchに変えたりしない。IE 7は「ユーザーの初期設定値が存在しない場合にMSN Searchを使うだけ」(DOJ)なのだ。こうしてDOJは,「この件は終了」との結論を出した。