米MercExchangeが米eBayに対して起こしていた特許侵害訴訟で,米連邦最高裁判所は,eBay社に対する連邦巡回区控訴裁判所の差止め命令を覆す判決を下した。eBay社が米国時間5月15日に明らかにしたもの。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,両社の係争では,2003年に連邦地方裁判所がeBay社によるMercExchange社特許の侵害を認め,2950万ドルの損害賠償支払いを命じたが,永久差し止め命令は否認した。しかし2005年に,控訴裁は特許侵害の確認と賠償金支払い命令に加え,永久差し止め命令請求も承認した。

 eBay社は,控訴裁が適用した差し止め命令の規定は不適当として最高裁に上告。そして今回,最高裁はeBay社の主張を認め,連邦地裁への差し戻しを決定した。

 eBay社法務顧問代理のJay Monahan氏は,「最高裁の判断にたいへん満足している。当該特許に関する今後の再審理においても,同様の結果が待っているだろう」と述べた。

 一方MercExchange社もコメントを同日発表した。同社は「最高裁は地方裁に対し,永久差し止め命令否認の判断について再検討するよう命じた」と説明し,「地方裁が従来の原則を正当に適用すれば,当社が求める差し止め救済が認められると確信している」と述べた。

[発表資料(eBay社のプレス・リリース)]
[発表資料(MercExchange社のプレス・リリース)]