米Webroot Softwareは米国時間5月9日,2006年第1四半期のスパイウエアに関する調査結果を発表した。それによると,当期はスパイウエアに感染したパソコンの割合が87%に達し,前期の72%から15ポイント増加したという。

 スパイウエアに感染したパソコンを調べたところ,パソコン1台当たりに潜んでいるスパイウエアの数は平均29.5個で,前期の24.9個から18%増加した。とりわけ,トロイの木馬が感染を広げており,第1四半期の感染率は前期比5ポイント増の29%だった。「当期における『Trojan-Downloader-Zlob』の検出数は倍増した」(同社)。同社はまた,広告などを勝手に表示するアドウエアの急増を懸念している。最近,違法なアドウエア・ベンダーを取り締まる法規制が施行されたにもかかわらず,アドウエアが検出されたパソコンの割合は,前期の45%から59%に増加した。

 Webroot社CEOのDavid Moll氏は,「業界がアドウエアの取り締まりに注力しているのに,感染率が増えている。アドウエア・ベンダーが新しい配布方法や配布チャネルを見つけたからに他ならない」と指摘する。調査から,当期にスパイウエアの被害を受けた中小企業が50%以上に達することが分かった。主な損害は,「システム性能の低下」(65%),「社員の生産性の低下」(58%),「収益への悪影響」(35%),「売上高の損失」(20%)など。

 同社は,「小規模な企業はIT資源が限られており,ネットワーク・セキュリティが堅牢でないため,スパイウエア・ベンダーのターゲットになりやすい」と説明する。また,Moll氏は次のように警告した。「スパイウエアとして最も悪質なトロイの木馬とシステム・モニターは,ますます侵入の手口が巧妙になっている。企業は機密情報や個人情報を保護するために,最新かつ最高レベルのスパイウエア対策ソフトを導入する必要がある」

[発表資料へ]