米Napsterは米国時間5月1日,同社のオンライン音楽サービス「Napster.com」を刷新し,広告収入によって運営する無料サービスの提供を開始した。「200万曲以上の楽曲を合法的に無料で提供する初のサービス」(同社)という。

 ユーザーはアカウントを作成すれば,Webベースのプレーヤを使って楽曲を1曲に付き5回まで再生できる。ソフトウエアやプラグインのダウンロードは不要。楽曲やアーティスト・プロフィールの検索機能を提供するほか,150以上のプレイリストも利用できるようにする。

 同サービスでは,2つの新機能「NapsterLinks」と「Narchive」も提供する。前者は,Webサイトで提供する無料のツールを使って,Napsterサイトの楽曲,アルバム,アーティストへのリンクを張るというもの。電子メール,インスタント・メッセージング,ブログやWebサイトにリンクを表示できる。

 後者のNarchiveでは,ユーザーが音楽に関する記事や写真などを自由に投稿して,「人々による音楽の歴史」(同社)を作成できるようにするという。また,アーティストの写真や略歴も公開する。同機能は近日中にベータ版を提供する。

 対応OSは,Windows,Macintosh,Linux。当初は米国のみの提供となるが,順次,サービス対象エリアを拡大する。

 Napster社会長兼CEOのChris Gorog氏は,「デジタル音楽業界は過去数年の間に大きく進展した。しかし,音楽ファン,アーティスト,レーベル会社,楽曲の権利所有者など,全員が満足できるサービスはまだ登場していない」と説明する。「今回の無料サービスは,この目標実現に向けた大きな一歩だと考える」(同氏)。

 なおNapsterでは,高度な機能を利用したり,音楽をダウンロードできる有料サブスクリプション・サービス「Napster」「Napster To Go」も継続して提供していく。

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