電子フロンティア財団(EFF)は米国時間4月6日,「米AT&Tが米政府の盗聴プログラムに関与したことを裏付ける証拠書類を裁判所に提出した」と発表した。EFFは,同社が米国家安全保障局(NSA)の極秘監視プログラムに協力し,通信傍受に関する連邦法に違反したとして,民事訴訟を起こしている。

 EFFが4月5日に提出した証拠書類には,AT&Tの元通信技術士であるMark Klein氏による供述と内部文書が含まれる。「AT&TがインターネットのトラフィックをNSAのホールセールに流していた」とするEFFの主張を裏付ける内容だという。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Klein氏は供述の中で,AT&Tがサンフランシスコのインターネットおよび電話通信用ハブに,大容量のインターネット・トラフィックを切り替えられる装置を設置したことを明かしている。

 「米国民の日常的なインターネット通信の内容を政府に渡すことは,個人のプライバシを侵害するだけでなく,米国憲法そのものを脅かす行為だ」(EFF弁護士のKevin Bankston氏)。 

 証拠書類は,判事や訴訟当事者以外の第三者の目に触れないよう封印されている。AT&Tには,企業機密などの情報保護のため,同書類を公開しないよう裁判所を説得する期間として5日間の猶予が与えられている。Bankston氏は,「市民には知る権利がある。最終的にはすべて公開することが要求されるだろう」と述べている。

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