米Deloitteは,2006年における技術,メディア,通信部門の動向に関して調査した結果を香港時間4月6日に発表した。それによると,検索エンジンが電子メールを抜いて,最も頻繁に利用されるアプリケーションになるという。また,デジタル格差がさらに広がると予測している。

 同社では,検索エンジンの利用頻度が高まる要因として,機能の向上,高速接続の普及,使用される電子データの増大を挙げている。検索エンジンのインタフェースに関しては大きな進展はないと予想している。

 デジタル格差は,これまで先進国と発展途上国間で最も大きかったが,この傾向は同年も続くとみられる。各国によるデジタル格差解消の取り組みは,問題の根底にある経済的および政治的問題,あるいは社会的な問題に対処できていないと指摘。IT技術が普及していない地域では,メディア,インターネット,電子機器,情報へのアクセスが欠如していることにより,ますます不利な立場になるという。

 携帯電話に関しては,引き続き第2世代(2G)対応携帯の成長,売り上げ,シェアが最も大きくなり,第3世代(3G)携帯の普及は予測よりも遅れるという。顧客のニーズは既存の技術規格で満たされているため,3G技術の利点が理解されにくいとみている。同年は,3Gサービスに数千万人の新規加入が見込まれるものの,数十億ドルの投資に見合う収益は上げられないと予想している。

 2006年は,通信事業者が新しい収益源を求め,コンテンツ企業が新しいチャネルを求めている。また,その他の企業も自社の顧客ベースを活用したいと考えている。そのため,同社は,仮想移動体通信事業者(MVNO)が急成長すると予測している。

 メディアとエンタテイメント部門では,モバイル・テレビの成長は鈍いと予測。ビデオ・ゲームでは,新しいプラットフォームの成功を受け,業界がその成長維持を維持するために,新たに若い女性をターゲットとする製品を提供するとみている。そのほか,購読型のラジオが急成長すると予測。インターネット・ラジオといった新しい形態のサービスが増加するという。現在,米国では1200万人が衛星ラジオ・サービスを購読しており,同市場は2010年までに35%拡大すると予測している。

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