国際レコード産業連盟(IFPI)は,欧州を中心とした10カ国において,P2P経由で大量の音楽ファイルを違法交換したユーザーを相手取り,約2000件の訴訟を申請した。IFPIが英国時間4月4日に明らかにしたもの。

 今回対象となったのは,オーストリア,デンマーク,フィンランド,ドイツ,香港,アイスランド,イタリア,ポルトガル,スウェーデン,スイスのユーザー。これらは「FastTrack (Kazaa)」「Gnutella (BearShare)」「eDonkey」「DirectConnect」「BitTorrent」「Limewire」「WinMX」「SoulSeek」などのPtoPネットワークを利用して,数百~数千曲の音楽ファイルを許可なく交換していたという。

 「フィンランドの大工,英国の郵便配達人,チェコのIT幹部,ドイツの判事,フランスのシェフ,英国の地域カウンセラ,引退したドイツ人夫婦などさまざまで,大半が20~35歳の男性。また,子供がファイル交換を行ったために訴えられた親も含まれる」(IFPI)。このうち,数百人はすでに音楽ファイルの違法交換分について代金を支払い済みで,これらの示談金の平均金額は2633ユーロ。

 IFPIは訴訟のほかに,ISPに依頼してユーザーのインターネット接続を強制切断するという方法を採用している。この措置は裁判所の命令に基づいて実施されるもので,フランスではすでに130件以上の強制切断命令が出されたという。

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