米IBMと米Rapportが,1個のPowerPCコアと1024個の8ビット・プロセサ・コアを内蔵するLSI「Kilocore1025」を米国時間4月4日に発表した。両社によると「極めて消費電力が少ないにもかかわらず,高い処理性能を提供できる」という。

 Kilocore1025は,Rapport社の「Kilocore」技術と,IBM社の「Power Architecture」技術をベースとするLSI。「既存のプロセサに比べ高速で消費電力が少なく,パワーの劣るモバイル機器上で,ストリーミング・ビデオや高精細映像を5~10倍高速に処理できる」(両社)

 現在Rapport社は,256個の演算コアを搭載する「KC256」と,開発用のツールなどを提供している。両社は「KC256の命令処理速度は毎秒25Gバイト以上で,消費電力は1Wを切る」とした。

 米メディア(CNET News.com)では,Rapport社がカリフォルニア州サンノゼで開催中(4月3日~7日)のEmbedded Systems Conferenceにおいて,Kilocore1025でストリーミング・ビデオ再生のデモンストレーションを行うと報じている。それによると,英ARMの「ARM 7」が消費電力0.5Wで毎秒3.3枚のフレーム処理速度なのに対し,Kilocore1025は消費電力100mWで毎秒30枚を処理できるという。

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