Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)と,Linux向けデスクトップ環境KDEおよびGNOMEの相互接続性向上を目指すオープンソース・プロジェクトfreedesktop.orgは,KDEとGNOMEの両環境に対応する共通インタフェースの技術プレビュー版を公開した。両団体が米国時間4月4日に明らかにしたもの。共通インタフェースを開発するプロジェクトPortland ProjectのWebサイトから無償でダウンロードできる。

 Portland Projectは,異なるデスクトップ環境やディストリビューションのLinux間における相互接続性を改善するために,2005年12月に発足したオープンソース・プロジェクト。さまざまなLinux製品にアプリケーションを移植する際に,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)の作業負荷を軽減することが目的という。さらに両団体は,「デスクトップLinuxやオフィス向けオープンソース・アプリケーションの普及にもつながる」とみている。

 KDEおよびGNOME環境間の移植性を改善するため,Portland Projectはコマンド・ライン・ツール群「xdg-utils」と「DAPI」と呼ばれるアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)群を提供する。ISVなどが利用すると,両環境に対応した単一ソフトウエア・パッケージの開発が可能になるという。

 今後Portland Projectは,同ツールのベータ版を2006年5月に,最終版の「Portland 1.0」を6月に提供できると見込む。最終版は,Linux標準規格「Linux Standard Base(LSB)」に搭載する予定。

 米メディア(CNET News.com)によると,それぞれのデスクトップ環境を開発しているKDE ProjectGNOME Foundationは,いずれもPortland Projectの活動に賛同しているという。さらに同メディアは,Portland Projectの提供するツールを搭載する「LSB 3.2」のリリースは2007年初頭になると報じている。

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