米Microsoftは4月3日(米国時間),仮想マシン・ソフト「Virtual Server 2005 R2」の無償提供を発表した。これまでは利用可能プロセッサ数の違いにより,99ドルまたは199ドルで販売していた。同じく無償提供が予定されている米VMwareの「VMware Server」と競合する製品だ。さらにMicrosoftは,Linux対応の復活を突如として表明している。

 Microsoftが米Connectixから買収した技術をもとにVirtual Serverとクライアント向けの「Virtual PC」を開発する際,最初に行った作業は,Linux仮想マシンの正式対応を完全に止めることだった。ところが今になって,顧客からの不満を数年にわたって聞いたからか,Linux対応を復活させた。同社によると「Virtual Server上の仮想マシンに主要Linuxディストリビューションを容易にインストールするための手段も開発している」という。1台のハードウエアでWindowsとLinuxの両仮想マシンを動かしたい顧客に対しては,サポート・サービスも提供する。

 MicrosoftのWindows Server部門製品マーケティング担当ディレクタであるZane Adam氏は,「Virtual Serverや将来の仮想化製品でWindows以外のOSについても動作を正式に保証できるよう,以前から作業を進めていた」と述べる。さらにMicrosoftは,現在「Longhorn Server」(開発コード名)と呼ばれている2007年リリース予定のWindows Serverの次版に,仮想化サービスを直接組み込む作業を行っている。

 MicrosoftによるVirtual Serverの無料化は,LinuxWorld Conference&Expoがマサチューセッツ州ボストンで開幕するのに合わせ,4月3日に実施された。MicrosoftはかたくなにLinuxを敵視しているものの,過去数年のあいだに,様々なLinuxとの相互接続性確保や移行シナリオを提供するようになってきた。