米DisplaySearchは米国時間4月3日,ビデオ・プロセサ,デインタレーサ/スカラー,MPEGビデオ・プロセサなど,2005年のテレビ関連電子機器市場に関する調査結果を発表した。それによると,テレビ関連電子機器の出荷台数は,2005年の6900万台から,2010年には1億4100万台へと急成長を遂げる見通しである。

 テレビ・メーカー向けチップのサプライヤは,2005年に3950万個を出荷し,3億7400万ドルの売上高を獲得した。DisplaySearch社は,成長の要因としてメーカー向けチップを使用する民生電子機器メーカーの増加と,フラット・パネル・テレビ市場の拡大を挙げる。

 テレビ電子機器市場で首位に立つのは米Genesis Microchip。次いで,2位に浮上した米Trident,3位に転落した米Pixelworksである。2005年に,各社の製品を実装したテレビの台数は,それぞれ970万台,760万台,470万台だった。

 テレビ電子機器市場を分野別にみると,メーカー向けデインタレーサ/スカラー分野が優勢である。出荷台数は2180万台,売上高は1億7200万ドル。Genesis社が最大シェアを占める。しかし,デインタレーサ/スカラー機能は今後数年間に,ビデオ・プロセサやメーカー向けビデオ・プロセサに統合される可能性が高く,市場は徐々に縮小する見通しだ。

 メーカー向けビデオ・プロセサ分野は,出荷台数が1600万台,売上高が1億6200万ドル。同分野で出荷台数が最も多かったのはTrident社である。

 メーカー向けMPEGビデオ・プロセサ分野は不調で,出荷台数は180万台。ATSC(Advanced Television Systems Committee)チューナの搭載が速やかに進んでいないことが要因とみる。また,チューナ不要のHD対応テレビやモニターが出まわっていることも,ATSCチューナの成長を阻んでいる。

 DisplaySearch社Display Electronics部門担当副社長のHenry Choy氏は,「テレビ電子機器市場は,フラット・パネル・テレビの普及やデジタル放送への移行により,急成長を遂げている。MPEG技術を売り込もうとしているセットトップ・ボックス・メーカーと,デインタレーサ/スカラーや画像処理を手がけるビデオ・プロセサ・メーカーは,2007年に新製品を設計する段階で,著しく競合するだろう」と予測した。「Trident社とGenesis社が市場をリードするのは明らかだが,長期的な勝ち組はまだ予測がつかない」(同氏)。

[発表資料へ]