David Heinemeier Hansson氏は,RubyベースのWebアプリケーション・フレームワークの新版「Ruby on Rails 1.1」の提供を3月26日に開始した。Hansson氏が3月28日に,ブログへの投稿で明らかにしたもの。新版では,「JavaScript written in Ruby(RJS)」「respond_to」といった新しい機能を追加したほか,「Active Record」の強化を図った。Rails 1.1は,開発プロジェクトのWebサイトから無償でダウンロードできる。

 Ruby on Railsは,David Heinemeier Hansson氏が開発したWebアプリケーション・フレームワーク。「RoR」とも呼ばれる。ネットワーク応用通信研究所のまつもとゆきひろ氏が開発したスクリプト言語Rubyで記述している。ネーミング・ルールに沿って変数名などを使用すれば,標準的なデータベース・アクセス・プログラムや検索機能,更新画面を自動的に生成できる。簡単なWebアプリケーションであれば,プログラムを書かずに生成することも可能という(関連記事)。

 新版に搭載したRJSは,Rubyを使用してJavaScriptを記述する機能。Hansson氏は「Rubyを使いながら,あらゆる処理をAjax化できる」と説明する。respond_toはAction Controllerの新機能であり,同じ操作でAjax対応/非対応およびAPIアクセスを可能とし,アプリケーションの起動を容易にするという。

 Hansson氏は「こうした目立つ機能は(新版において)氷山の一角に過ぎない」と述べる。Rails 1.1の開発には100人以上が協力し,500カ所以上の修正や改良,機能追加を施したという。

 Railsを動かすには,データベース(MySQL,PostgreSQL,SQLite,Oracle,SQL Server,DB2,Firebirdのいずれか)と,WebサーバーApacheが必要となる。

[Hansson氏の投稿]