中国のAnalysys Internationalは現地時間3月28日,中国における検索エンジン市場に関して調査した結果を発表した。それによると,検索エンジンに広告を掲載する中小企業の不満が高まっており,同市場の成長は今後18ヶ月で急激に鈍化するという。

 同社CEOのEdward Yu氏は「検索エンジンの実際のパフォーマンスは,人々の高い期待からかけ離れている。検索結果に対するユーザーの満足度が低く,不安定な広告効果や不規則なチャネル・オペレーションなどにより,広告主の中小企業はこの新しいタイプの広告に対して懐疑的になっている。そのため,同市場の成長は減速するだろう」とコメントしている。

 同社によれば,中国では少なくとも週に1度は検索エンジンを利用するというネット・ユーザーがおよそ1億人に達している。これは,同国におけるネット・ユーザー総数の84%に相当する。2005年における検索エンジンの広告収入は9億5000万元で前年から79%増加し,オンライン広告市場全体の32.2%を占めている。

 同社の検索エンジン業界のビジネス・ライフサイクル・モデルに従えば,中国は急成長が期待される初期段階にあるという。検索エンジンのプロバイダは,いまだにユーザーのニーズを明確に把握しておらず,ユーザーが検索結果に満足していないことも理解していない。また,ユーザーが検索エンジンで必要な情報が得られない可能性が高く,ブランド忠実度が低下していることが分かった。46%のユーザーは,検索結果に満足できなかった場合,別の検索エンジンまたはポータル・サイトを利用しているという。

 そのほかにも,検索エンジンに広告を掲載する中小企業は,広告効果に満足しておらず不満が増加していることが分かった。1500社を調査したところ,期待を上回る効果をもたらしたと回答したのは20%だった。29%は期待した結果が得られなかったため,検索エンジンを使ったマーケティングの予算を削減または保留することを考えているという。

 しかし,Analysys International社では業界チェーンが改善されビジネス・モデルが明確になれば,検索エンジン部門も安定した成長期に入るという見通しを明らかにしている。

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