企業による自主規制などに取り組む米国の団体Council of Better Business Bureaus(CBBB)と公共政策に関する米国の非営利シンクタンクPrivacy&American Business(P&AB)が,セキュリティ/プライバシ対策強化を目的とする小企業向け教育活動「Security&Privacy - Made Simpler」を,米国時間3月27日に発表した。

 無料の各種教材やオンライン・セミナーを通じ,小企業でも実践可能なセキュリティ対策を指導する。教材はCBBBの下部組織であるBetter Business Bureaus(BBB)のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 CBBB会長兼CEOのSteve Cole氏は,「データ・セキュリティ対策において,小企業は規模の大きな競合相手にまったく追いついていない」と指摘する。「小企業にはどのような対策を実施すべきかを助言できる専門家がいないので,保護対策のレベルを実際より過大評価しがちだ」(同氏)。

 Security&Privacy - Made Simplerは,データ・セキュリティの複雑さを軽減し,技術的な内容に偏らない手引きを小企業に提示して,顧客データを守るための方策を伝える。具体的には,データ窃盗行為の解説や,セキュリティ対策を実施するためのチェックリストの提供,基本的なアドバイスなどを行う。テーマは顧客データと従業員データの保護の2つ。顧客データ保護の教材は既に利用可能となっている。従業員データ保護向け教材は,2006年秋に提供する予定。

 取り組みには,これまでのところ米IBM,米Visa U.S.A.,米Equifax,米Verizon Wireless,米Wall Street Journal,米eBayとその傘下の米PayPalが協力している。

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