米連邦取引委員会(FTC)は,米スパム対策法(CAN-SPAM Act:Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Marketing Act)違反を理由に,スパム行為として過去最高となる90万ドルの民事制裁金を米Jumpstart Technologiesに科した。FTCが米国時間3月23日に明らかにしたもの。

 Jumpstartは,カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くインターネット・マーケティング企業。広告主にダイレクト・マーケティング・サービスを提供するとともに,第三者への販売提供目的でマーケティング情報を収集している。

 FTCによると,同社は「FreeFlixTix」という宣伝活動を展開する際に,宣伝メールを個人的なメールに擬装したほか,取引条件などを誤解させたという。FreeFlixTixでは,友人5人以上の氏名とメール・アドレスを知らせれば,映画チケットを無料で入手できるとした。同社が送ったスパムのなかには,クレジット・カード情報の登録を必要とするものもあった。

 スパム・メールの送信者(from)行には受信者となる消費者自身のメール・アドレスを入れ,件名(subject)行には個人的なメッセージであるかのような文章を記載していた。本文を一般消費者が書いたような内容とすることでスパム・フィルタを通過させ,受信者へ届けた。

 FTC消費者保護局ディレクタのLydia Parnes氏は「被告(Jumpstartおよび広告主)は宣伝であることを隠すため,故意に個人向けメッセージを使った」と指摘する。「目的を偽った件名など(電子メール)のヘッダーはCAN-SPAM Actに違反しただけでなく,消費者の信頼を裏切った」(同氏)。

[発表資料へ]