米ニューヨーク州司法長官Eliot Spitzer氏は,顧客の個人情報を販売した疑いで米Gratis Internetを提訴したことを米国時間3月22日に発表した。同州は,Gratis社が700万人を超える消費者の個人情報を電子メール広告業者に不正販売したと主張している。

 Gratis社は,「FreeiPods.com」「FreeCondoms.com」「FreeDVD.com」「FreeVideoGames.com」「FreeGiftPlanet.com」「FreeCDs.com」の6サイトを運営し,サード・パーティのキャンペーンやプロモーションに応募したインターネット・ユーザーに無料で米Apple Computerの「iPod」やDVD/CD,ビデオ・ゲームなどを提供していた。ユーザーは応募の際に電子メール・アドレスなどの個人情報を登録する必要があり,同社は「決してこれら情報の貸与,販売,譲渡を行わない」とのポリシーを掲げていた。

 Gratis社は,2000年2月~2004年6月にわたって700万人を超えるユーザーの個人情報を収集し,2004年と2005年に「ポリシーに反して」(Spitzer氏)3社の電子メール・マーケティング業者に販売。また,キャンペーンを行っているサード・パーティからも仲介料を徴収していたという。

 なお,6サイトのうちFreeiPods.comとFreeCondoms.comを除く4サイトは1月末ごろに閉鎖している。

 Gratis社から個人情報を購入した3社は,入手した電子メール・アドレスあてに迷惑メールを大量送信していた。このうち600万人分以上の情報を購入したDatran Media社は,すでに同州から「インターネット史上最大のプライバシ・ポリシー違反」(Spitzer氏)で摘発され,3月13日に110万ドルの罰金支払い命令に合意している(ニューヨーク州司法局のプレス・リリース)。

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