Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)は,Linuxおよびオープンソース・ソフトの主要な開発者からなる技術諮問委員会「Technical Advisory Board(TAB)」を設置した。OSLDが米国時間3月22日に明らかにしたもの。同委員会はOSDLに,技術的な要件や課題に関して助言を与える。

 TABは毎月会合を開き,当座はベンダーによるオープンソース・プロジェクトへの参加を促すなど,Linuxおよびオープンソース開発者コミュニティとベンダー間の関係強化に努める。

 OSDL、CEOのStuart Cohen氏は「OSDLがTABを発足させたのは,Linus Torvalds氏やAndrew Morton氏といった著名な開発者を支援する以外にも,Linuxコミュニティと協力したいと考えているからだ」と説明した。「開発者コミュニティが直面する重要な技術要件や問題に関して,OSDLが適切にリソースや人材を割り当てられるように,TABが導いてくれると期待している」(同氏)

 TABは20人の委員で構成し,委員の任期は2年。毎年7月に開催されるLinuxカーネル開発に関する会議「Linux Kernel Summit」において,メンバーの半数を選出しなおす。またOSDLの取締役会に,TABから取締役を1名選出する。

 TABの主な初代委員は次の通り。

  • James Bottomley氏(米SteelEyeの副社長兼CTO,Linux SCSIサブシステムの保守管理者,OSDL取締役)
  • Wim Coekaerts氏(米OracleのLinuxエンジニアリング担当ディレクタ,Linux VMテスター)
  • Randy Dunlap氏(米Oracleの主任開発者,Linuxカーネルの保守管理者)
  • Greg Kroah-Hartman氏(米Novell,SuSE Labsの上級エンジニア,Linux USBサブシステムの保守管理者)
  • Christoph Lameter氏(米Silicon Graphicsの主任技術者)
  • Matt Mackall(デジタル家電機器向けLinuxの開発団体Consumer Electronics Linux Forumのフェロー,Linux Tinyの保守管理者)
  • Theodore Ts'o氏(米IBMの上級エンジニア,Linuxファイルシステムの保守管理者)
  • Arjan van de Ven氏(Linuxカーネルのジェネラリスト)
  • Chris Wright氏(米Red Hatの上級エンジニア,Linuxセキュリティ・モジュールの保守管理者)

 OSDL,TABの委員長に就任したJames Bottomley氏は,「OSDLはこれまで,Linuxの促進や,ユーザーとベンダーの橋渡し役として,重要な役割を担ってきた。TABの設置により,OSDLとLinuxコミュニティの開発者が緊密に連携し,オープンソース・ソフトの前進に向けて協力できるようになるだろう」と述べた。

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